特集 血管
Feature Articles 特集論文 2.血管肉腫
Bella Pelle Vol.5 No.4, 18-23, 2020
血管肉腫は,腫瘍細胞が血管やリンパ管の内皮細胞への分化を示す悪性腫瘍で,その頻度は全肉腫の1〜4%程度ときわめてまれな肉腫である1,2).厳密には,血管内皮由来の血管肉腫(angiosarcoma)とリンパ管内皮由来のリンパ管肉腫(lymphangiosarcoma)の2種類があるが,いまだ明確な鑑別は困難な場合もあり,両者を合わせて血管肉腫と呼んでいる.血管肉腫はあらゆる臓器に生じうるが,皮膚原発が最も多く約半数を占め3),皮膚原発の大半は高齢者の頭頸部に生じる.わが国における5年生存率は10%未満ときわめて予後不良といわれてきたが4),近年複数の新規治療薬が登場し,その有効性が期待されている.
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