亜鉛が生命維持に欠かせない必須ミネラルと認識されたのは,1963年の亜鉛欠乏症の報告1)による.以来,亜鉛や必須ミネラルに関する研究が精力的に行われている.亜鉛の生体内での役割の解明により,さまざまな疾患との関連もわかってきており,難治性疾患の創薬への期待も高い.他の微量ミネラルに比べ,亜鉛の欠乏は皮膚症状に現れやすいことから,見逃しやすい皮膚疾患の原因として認識を新たにしていただければ幸いである.