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美容皮膚科に必要な外科的Option & Technique

第6回 レーザー脱毛のパラダイムシフト

山下理絵

Bella Pelle Vol.3 No.2, 76-78, 2018

レーザー脱毛における標的器官は,立毛筋付着部の毛隆起(バルジ領域)と毛包下部の毛球部,および皮脂腺開口部である.レーザー脱毛に至適な波長・パルス幅・表皮の冷却の重要性などは概ねコンセンサスが得られている.
波長は,選択的高熱融解理論(selective photothermolysis)の原理に基づいて,メラニンをターゲットとした機種,波長694nmのルビーレーザー,波長755nmのアレキサンドライトレーザー,波長800~810nmのダイオードレーザー,波長1,064nmのNd:YAGレーザーおよびIPL(intense pulsed light)などが使用されている.メラニンに対しては,ルビーレーザーの吸光率が一番高いが,表皮メラニンへのダメージが強すぎるため,わが国ではQスイッチルビーレーザーによる脱毛は普及していない.アレキサンドライトレーザーとダイオードレーザーが現在最も多く使用されている機種であるが,ダイオードレーザーのほうがより疼痛が少なく副作用が少ない.現在承認されているのはアレキサンドライトレーザーのみである.毛のメラニンにダメージを与えることにより脱毛効果が得られるが,表層に出ている成長期の毛は20%程度であり,成長期に照射した毛根のみが破壊されるため,数回の治療が必要になる.
パルス幅に関しては,selective photothermolysisの原理では,表皮が放熱を開始する3ms以上で,毛包が放熱を始める40ms以内のパルス幅がよいとされ,脱毛に最適なパルス幅は20~40ms程度といわれている.しかし,出力に関しては施術者が自由に設定できるパラメーターで,その強弱によって脱毛効果と合併症に大きな差が出ることもある.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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