「1　プロジェクトの背景」美容医療に携わる医師およびコメディカル，さらには化粧品，製薬，美容業界に身を置く多くの者にとって，「光老化」に関しては共通の認識が存在する．すなわち紫外線をはじめとした太陽光線により生じる老徴である，シミ，シワ，たるみ，そして皮膚がんにまでつながる皮膚の変化を光老化と称することは常識であり，またその予防対策が重要であることも共有している．しかしながら，一般人を対象として最近行った光老化関連事項の認知率の調査によると，光老化，SPF，PAともに認知度が低く，男女全体で光老化については4.2％，SPF10.9％，PA6.1％に留まっていた(図１)．また，サンスクリーン剤の使用率も低く，まったく使用しないという人が男性では70.5％にも上っていた．また，日常的に使用している人は女性でも24.4％に過ぎなかった(図２)．