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Theme 第6回肺高血圧症ワールドシンポジウム―併用療法以外の話題― State of the Art

第4群:慢性血栓塞栓性肺高血圧症

大郷剛

Pulmonary Hypertension Update Vol.5 No.2, 24-31, 2019

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は,肺塞栓症と関連して発症すると考えられ,進行すれば右心不全や死亡に繋がる慢性的な肺高血圧症(PH)である。2018年に5年ぶりに行われた第6回PHワールドシンポジウム(6th WSPH)において2013年の5th WSPH以来CTEPHの病態理解と治療に進展がみられた点について討議が行われた。6th WSPHで討議されアップデートされたポイントは,①CTEPHと急性肺塞栓症との関連に関する新たなエビデンスが登場したこと,②慢性血栓塞栓症(CTED)という新しい疾患概念が登場したこと,③現在のCTEPH治療の最新のエビデンス[特に日本から発信されているバルーン肺動脈形成術(BPA)に関する新規のエビデンスの追加],④2013年(5th WSPH)以降のエビデンスや治療の進歩を考慮して更新された新規CTEPH治療アルゴリズムの提案,である。これは6th WSPHにおいても肺動脈内膜摘除術(PEA)は手術可能なCTEPH患者の最善の治療選択であることに変更はなかった。しかし今回,PH特異的内服治療とBPAという2つの新規治療法がCTEPH治療で手術非適応または術後残存PHに対して新たな代行治療としてCTEPH治療アルゴリズムの重要な位置を占めてきている。これからのCTEPH診療は外科治療,BPA,内服治療,画像の専門家がいるCTEPH専門施設において個々の患者に対する個別化アプローチが必須であると考えられる。
「KEY WORDS」慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH),バルーン肺動脈形成術(BPA),肺動脈血栓内膜摘除術(PEA),肺高血圧特異的治療薬,慢性血栓塞栓症(CTED)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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