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Land-Mark papers in Oncology~エポックメイカーとなった論文~

「治療」Pathological CR(病理学的完全寛解)

清水千佳子

CANCER BOARD of the BREAST Vol.6 No.2, 60, 2021

早期乳癌に対する術前薬物療法は,薬効を短期間で,直接的に評価できるというメリットがある。1988年に始まったNational Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP)B-18試験は,StageⅠ,Ⅱの早期乳癌に対してdoxorubicin/cyclophosphamide(AC)療法の術前投与が術後投与と比較して優れていることを検証することを目的とした大規模ランダム化比較試験であった。この試験では,副次的な目的として,原発巣に対する効果が無再発生存割合や生存割合などの長期的なアウトカムと相関するかどうかが検討され,多変量解析によって原発巣のpCRが,治療前の臨床病理学的因子とは独立した予後因子であることが示唆された1)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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