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CASE REPORT(Thyroid Cancer Explore)

放射性ヨウ素抵抗性,進行性甲状腺乳頭癌に対して行ったソラフェニブ治療後にFT3が感度以下に低下した1例

安藤孝人伊藤由季絵井戸美来大澤真奈美毛利有佳子高阪絢子藤井公人中野正吾今井常夫

Thyroid Cancer Explore Vol.3 No.1, 73-75, 2017

症例は81歳女性。20XX年甲状腺乳頭癌のため甲状腺全摘術,気管周囲リンパ節郭清術施行。気管に腫瘍遺残が認められたため術後外照射施行。術後2年で多発肺転移。術後5年で右外側頸部リンパ節転移のため右外側頸部リンパ節郭清術施行。術後7年で放射性ヨウ素内用療法の適応のため診断シンチを行うも取り込みなく,放射性ヨウ素内用療法の適応なしと判断。術後8年でソラフェニブ800mg/dayを導入した。レボチロキシンナトリウムは1日100μgを内服継続していた。ソラフェニブ内服開始後3週間の採血でFT3が1.00pg/mL未満と感度以下に低下。FT4 1.11ng/mL,TSH 0.156ng/mLとソラフェニブ開始前と大きな変化は認めなかった。甲状腺機能低下症状は明らかではなかったが,リオチロニンナトリウムの内服を開始し数日後にFT3 2.37pg/mLと基準値内に戻った。下血を認めたためソラフェニブを休薬したところ,FT3 4.32pg/mLと高値になりリオチロニンナトリウムを中止した。
VEGFシグナルを阻害する薬剤では甲状腺機能障害が発症することが報告されているが,ソラフェニブ投与後にFT3が感度以下に低下した1例を経験したため文献的検討を加えて報告する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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