分化型甲状腺癌には甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone:TSH)リセプターが存在し,TSHは分化型甲状腺癌の増殖因子である。分化型甲状腺癌に対する手術後の再発を予防,また遅らせる目的から分化型甲状腺癌に対するL-サイロキシンを用いたTSH抑制療法は広く行われている。しかしながら,分化型甲状腺癌の多くは予後良好であり,TSH抑制療法の好ましくない作用の報告もなされている。TSHの基準値が年齢と共に上昇することが近年明らかになってきており1),過度のTSH抑制が患者に悪影響を及ぼすことが心配される。
誌上ディベート
甲状腺癌におけるTSH抑制療法のPro/Con
推奨できないという立場から
掲載誌
Thyroid Cancer Explore
Vol.3 No.1 44-47,
2017
著者名
吉村 弘
記事体裁
抄録
疾患領域
甲状腺・副甲状腺
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
Thyroid Cancer Explore
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。