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Psychiatric Lecture

成因・危険因子 遅発性ジスキネジアの症状・診断・病態・治療

竹内啓善

精神科臨床 Legato Vol.4 No.2, 18-23, 2018

―錐体外路症状の分類と遅発性ジスキネジアの位置づけを教えてください。
現在,統合失調症の薬物療法は非定型抗精神病薬が主流ですが,非定型抗精神病薬もドパミンD2受容体遮断作用を有していることから,薬原性錐体外路症状は今日でも重要な副作用の1つです。
錐体外路症状は,大脳皮質‐大脳基底核ループの障害による症状であり,パーキンソニズムなどの運動過少(hypokinesia)と,振戦やミオクローヌス,ジストニア,ジスキネジア,舞踏運動,片側バリズム,アテトーゼ,アカシジアなどの運動過多(hyperkinesia)に分類されます。後者のすべてをジスキネジアとして広義に捉える場合もありますが,精神科臨床においては狭義のジスキネジアを指し示すのが一般的です。
ジスキネジアはその原因により「特発性」,「遅発性」,「離脱性」,「レボドパ誘発性」,「ハンチントン病に伴うもの」に分類され,遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia;TD)は抗精神病薬の長期投与後に発現する不規則で比較的ゆっくりとした不随意運動です。レボドパ誘発性やハンチントン病では好発部位が四肢・体幹であるのに対し,TDを含むその他のジスキネジアは舌や口唇,頬,下顎などの口腔・顔面に現れやすいのも特徴の1つといえます。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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