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Evidence Explanation

Most Read Articles in 2017

―決定的な経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の非劣性試験―

渡辺範雄

精神科臨床 Legato Vol.4 No.1, 34-35, 2018

その年の“Most Read Article”を取り上げる連載第3回では,2017年に『New England Journal of Medicine』誌の精神科領域の論文で最も読まれた,うつ病に対する経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation;tDCS)と薬物療法の比較試験をご紹介したいと思います1)
大うつ病性障害(major depressive disorder;MDD)に対する非薬物療法としての電気刺激療法は,2009年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)により承認された経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation;TMS)があります。ただしTMSには頻度は低いもののけいれん発作のリスクがあり,コストの高さも臨床上の課題となっていました。そこで安価で簡便な電気刺激療法として開発されたのがtDCSです。微弱な直流電流を頭皮上からあてるニューロモデュレーションで,本論文の著者らは先行研究にてMDDに対するtDCS+セルトラリン群,tDCS単独群,セルトラリン単独群,プラセボ群の2×2要因デザインでtDCSの有効性を検討していますが2),tDCSと薬物療法を直接比較する試験はこれまで行われていませんでした。
本試験は世界で初となるtDCSと薬物療法の直接比較試験です。本稿では試験デザインと結果の解釈,試験の意義などについてその特徴をご紹介したいと思います。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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