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Psychiatric Lecture

疫学 統合失調症のがん患者における治療の質と予後

石川華子

精神科臨床 Legato Vol.3 No.4, 12-15, 2017

一統合失調症患者の身体疾患の治療については多くの報告があります。そのなかでがん治療を調査された経緯を教えてください。
統合失調症息者は,一般人口に比べ身体疾患による死亡率が高いことが数多くの先行研究から明らかとなっています。その死亡原因をみると,1位が心血管疾患, 2位ががんで,心血管疾患に関しては,飲酒や喫煙などの生活習慣の乱れだけではなく,治療へのアクセスがよくないことも原因であるとわかっていますが,がんについての報告は限られていました。
そこでわれわれは,統合失調症をもつがん患者は,一般人口に比べがんの診断が遅れやすく,侵襲的治療を受けにくい,その結果としてがんの予後が悪くなるという3つの仮説を立て,治療へのアクセスの違いを明らかにすることを目的として本研究を実施しました。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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