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Trends in Psychiatry

書籍『“脳と心”からみた統合失調症の理解』

倉知正佳

精神科臨床 Legato Vol.3 No.1, 50-53, 2017

「先生が精神科疾患のなかでも特に統合失調症をご専門に選ばれたのはなぜですか。」
私は人間にとって最も重大な疾患は精神疾患であるとの思いから神経精神科に入局しました。しかし,教授から勧められたのは形態学,つまり神経病理学の研究でした。顕微鏡を覗くばかりの研究に「これは標本病理学では?」という疑問を感じ,臨床症状と病理学的所見との関連を取り上げる神経心理学も学ぶようになりました。当時は脳梗塞の患者さんが神経精神科によく受診されていたため,主に脳梗塞について脳の病変部位と発生する精神機能障害の関連を研究しました。神経心理学の世界は非常に奥が深く,研究は面白いものでしたが,30歳台も後半に差し掛かると「面白いことばかりするのではなく,患者さんのためになることをしなければ」との思いに駆られるようになり,精神医学の基本問題である統合失調症の研究に取り組もうと考えたのです。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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