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State of the art 大腸癌取扱い規約 第9版

大腸癌取扱い規約-次期改訂に向けて

上野秀樹味岡洋一池秀之石原聡一郎伊藤雅昭猪股雅史浦岡俊夫大植雅之岡島正純金光幸秀河内洋絹笠祐介九嶋亮治幸田圭史小林宏寿斎藤豊島田安博関根茂樹田中信治村田幸平八尾隆史山口研成山口茂樹山田一隆岡本耕一冨田尚裕橋口陽二郎固武健二郎杉原健一

大腸がんperspective Vol.4 No.4, 55-61, 2020

大腸癌の診断学・治療体系の発展の中心的役割を担ってきた大腸癌取扱い規約が扱う内容は多岐にわたるが,そのなかでも進行度分類は重要な柱である。本稿では,規約第9版の改訂過程を,特に進行度分類に焦点を当てて振り返りつつ,次期改訂に向けての取り組みと方向性を考察した。
本邦における大腸癌の診断と治療は多くの領域において独自の発展を遂げてきた。本邦での臨床や研究に役立つものであるべきとの大腸癌取扱い規約の一義的な役割を考えたとき,その改訂にあたっては,本邦の診断学・治療法の発展の歴史や医療の現状に由来する規約の独自性(originality/identity)の価値には十分な重きを置くべきであろう。一方,時代とともに,世界標準であるUICC分類との整合性を図る重要性は増しており,独自性と国際基準との整合性のバランスには十分配慮する必要がある。さらには,今後は本邦で見い出されたエビデンスや,大腸癌取扱い規約に表現される独自性を海外に向かって発信する弛まぬ努力も必要と考える。
「KEY WORDS」大腸癌取扱い規約,UICC分類,進行度分類,大腸癌研究会

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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