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State of the art 大腸癌取扱い規約 第9版

N3リンパ節を分類する意義

橋口陽二郎松田圭二野澤慶次郎

大腸がんperspective Vol.4 No.4, 29-32, 2020

N3は「主リンパ節に転移を認める。下部直腸癌では主リンパ節および/または側方リンパ節に転移を認める」と,解剖学的位置によって規定された日本の大腸癌取扱い規約による独自のNカテゴリーである。本邦のStage Ⅱ,Ⅲ大腸癌治癒切除患者の予後は欧米よりも良好であり,N3リンパ節の郭清を必須とするD3郭清における,とくに垂直方向の郭清の予後への寄与が世界で注目されている。また,『大腸癌取扱い規約 第9版』においては,病期分類をTNM分類と同じ構造にした上で,個数にかかわらずN3をTNM分類のN2b相当と扱うという,きわめて単純な改変により,個数のみに立脚したTNM分類よりも予後分別能がすぐれた病期分類が作成された。
「KEY WORDS」TNM分類,D3郭清,大腸癌取扱い規約,N3,大腸癌法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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