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Catch Up 分子生物学

解明されるがんにおける細胞老化の役割

岩本和哉高橋秀和三吉範克西田尚弘松田宙山本浩文水島恒和土岐祐一郎森正樹

大腸がんperspective Vol.4 No.3, 58-62, 2019

細胞老化は本来細胞のがん化に対する防御機能であると考えられてきたが,細胞老化ががん化のメカニズムにもなることが分かってきた。特に細胞老化により誘導される炎症反応がその重要な要素であることが示されている。Pribludaらは正常細胞内で発生したがん前駆細胞が細胞老化を誘導することでがん化することを示した。また,Kimらは,放射線治療により,細胞老化が誘導されがん化を促進することを示した。これらはどちらも細胞老化による炎症の誘導がトリガーとなっており,抗炎症薬の使用でこの事象を阻害できることも示した。今後のさらなる研究により,抗炎症作用が新たながん治療につながる可能性がある。
「KEY WORDS」細胞老化関連性炎症反応(SIR),放射線療法,NSAIDs

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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