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State of the art クローン病合併癌の診断と治療

肛門部癌

二見喜太郎東大二郎平野由紀子松井敏幸平井郁仁小野陽一郎

大腸がんperspective Vol.4 No.1, 46-52, 2018

自験例におけるクローン病肛門部癌を検討した。腸管手術575例中19例(RbP 9・PRb 4・P 6),3.3%の頻度で癌診断時年齢49.5歳,病悩期間292.5ヵ月,女性に高頻度であった。19例ともに肛門病変の合併(瘻孔17,裂肛・皮垂2)がみられ,組織所見では粘液癌が9例ともっとも多く,低分化型癌の傾向にあった。癌に因る症状から診断に至った13例では9例(69.2%)がStageⅢa以上で,非切除が3例,切除10例中7例に隣接臓器合併切除を要し,治癒切除(R0)は7例(53.8%)であった。一方,癌に因る症状なしに診断した6例にはリンパ節転移例はなく(Stage 0 2例・Ⅱ 4例),他臓器合併切除なしに全例治癒切除ができた。
クローン病肛門部癌において,良好な予後を得るためには少なくとも癌による症状のない段階で診断を行うことが肝要で,とくに長期経過例では内視鏡的あるいは麻酔下経肛門的生検など癌合併を念頭においた積極的な組織検査が欠かせない。治療の中心は切除となるが,過大な侵襲を伴うことも少なくなく,クローン病合併癌に適した集学的治療の検討が望まれる。
「KEY WORDS」クローン病,肛門部癌,外科治療,経肛門的生検,内視鏡的生検

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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