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State of the art 直腸癌治療における側方郭清の意義と位置づけを再考察する

直腸癌治療における側方郭清の意義と位置づけ

絹笠祐介

大腸がんperspective Vol.3 No.2, 20-23, 2016

「Summary」直腸癌術後の側方リンパ節再発は局所再発の主な原因となり得る。「大腸癌治療ガイドライン」では,腫瘍下縁が腹膜反転部以下に及ぶ深達度cT3以深の病変は側方郭清の適応となっている。その転移頻度は20%と少なくない。側方郭清はわが国において,今や安全に施行可能な手技であり,これによって合併症や後遺症が増加しないことがJCOG0212によって示された。一方,最新のMRI等を使用しても,転移リンパ節の診断能には限界もあり,安易に郭清を省略しようとすることは避けなければならない。また,安易に機能障害や二次癌のリスクを含むCRTで代替することも推奨されない。一方,直腸癌,特に側方リンパ節転移に対する手術成績は,外科医の技術の差がもっとも出やすい領域と考えられる。今後のエビデンスに注目しながらも,自施設の手術成績を振り返りながら,適切にエビデンスの外挿を行っていかなくてはならない領域である。側方郭清や直腸癌術後局所再発を十分に理解し,手術手技を向上させ,根治性や機能温存の向上を目指す必要がある。
「Key words」直腸癌,局所再発,側方郭清,術前化学放射線療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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