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Catch Up 分子生物学

転写因子NF-κBの大腸癌治療への応用

大澤日出樹高橋秀和原口直紹西村潤一畑泰司山本浩文竹政伊知朗水島恒和土岐祐一郎森正樹

大腸がんperspective Vol.2 No.4, 51-55, 2016

[テーマ文献①]Myant KB, Cammareri P, McGhee EJ, et al. ROS production and NF-κB activation triggered by RAC1 facilitate WNT-driven intestinal stem cell proliferation and colorectal cancer initiation. Cell Stem Cell. 2013 Jun 6 ; 12(6) : 761-73.
[テーマ文献②]Ryan AE, Colleran A, O'Gorman A, et al. Targeting colon cancer cell NF-κB promotes an anti-tumour M1-like macrophage phenotype and inhibits peritoneal metastasis. Oncogene. 2015 Mar 19 ; 34(12) : 1563-74.

「Summary」Nuclear factor-kappa B(NF-κB)はさまざまな生命現象に関与する転写分子である。悪性腫瘍ではNF-κBが恒常的に活性していることが多く,癌に関連したNF-κBのメカニズムが多く報告されている。MyantらはAPC遺伝子欠損後の腫瘍性増殖にRAC1によるROS産生とNF-κB活性化が重要であることを明らかにした。また,RyanらはNF-κBの活性化を制御することで腫瘍に浸潤してきたマクロファージの分化をコントロールすることができることを示した。NF-κBがかかわる機能は多岐にわたり,NF-κBをターゲットとする創薬は癌に対する特異性を高めることが重要である。近年,NF-κBの発癌や腫瘍増殖,浸潤転移に対する機能が明らかになってきており,NF-κBを標的とした治療薬に対する期待は高まってきている。
「Key words」NF-κB,腸管幹細胞,発癌,サイトカイン,Tumor-associated macrophage(TAM)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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