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State of the art 大腸癌化学療法の現状と新たな展開

抗EGFR抗体療法

山口研成原浩樹山田透子吉井貴子朝山雅子

大腸がんperspective Vol.2 No.2, 23-30, 2015

「Summary」epidermal growth factor(EGF)の受容体であるEGFRは大腸癌を含めた多くの癌腫で発現している膜貫通型チロシンキナーゼ受容体である。EGFRが高発現している癌では予後が悪いことや転移リスクが高いことが報告されている。治療薬としては,キメラ型IgG1抗体のセツキシマブと完全ヒト型IgG2抗体のパニツムマブがあり,直接比較試験(ASPECCT)では両者の効果に差は見られていないが,併用する抗がん剤により有効性に差が生じる可能性を念頭に置くべきである。治療戦略では,一次治療におけるVEGF抗体(ベバシズマブ)との2つの第Ⅲ相直接比較試験(FIRE-3,CALGB/SWOG80405)が報告されている。試験結果からは抗EGFR抗体とベバシズマブの効果は同等といえるが,実臨床では腫瘍縮小により切除を目指せる症例,腫瘍量が大きいないしは腫瘍に伴う症状がある場合は抗EGFR抗体を第一選択にすべきと考える。また,最近では抗EGFR抗体の投与にあたり,従来のKRAS野生型だけでなくその他のRAS(extended RAS)野生型に対象を絞り込むことの重要性が示されている。本邦でもKRAS遺伝子codon 12,13変異検査からextended RAS遺伝子検査への移行が準備されている。
「Key words」セツキシマブ,パニツムマブ,FIER-3試験,CALGB/SWOG80405試験,extended RAS

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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