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Q&A レジデントのための診療のEssence

Q.5-FU系薬剤による眼障害はどのようなものですか?

柏木広哉

大腸がんperspective Vol.2 No.1, 70-73, 2015

「Answer」涙が止まらない(1時間に10回以上拭くことも),物が見えづらい(車の運転がしづらい)などの症状があり,生活の質の低下をきたします。原因として,涙道の通過障害(狭窄や閉塞),角膜上皮障害などがあります。眼瞼の色素沈着も高頻度で生じます。
「涙道通過障害が流涙症をきたす」涙は涙腺から分泌され,涙点から涙小管,涙嚢,鼻涙管を通って,鼻腔に流れていきます(図1)1)。この流れの障害(閉塞,狭窄)で涙目(流涙症)をきたします。かつては炎症や加齢が主たる原因でしたが,近年抗がん剤の副作用によるものが問題となっています。
「原因薬剤はS-1が圧倒的に多い」5-FU(フルオロウラシル)点滴によるこの障害は過去に数例2)3)(他にはタキサン系)ありましたが,近年,同系統のS-1(ティーエスワン®,TS-1)によるものが圧倒的に増加し,眼科医の中で特に問題となっています。なお,静岡県立静岡がんセンターにおける6年間のデータでは,S-1による障害が250例以上あるのに対し,5-FUによるものは2例しかありません。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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