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Case Report 症例報告

感染による貧血増悪を繰り返しているエクリズマブ投与中のPNH症例

髙森弘之

PNH Frontier No.4, 62-65, 2017

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH;paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)は,造血幹細胞においてglycosylphosphatidylinositol(GPI)アンカーの生合成にかかわるphosphatidylinositol glycan class-A(PIGA)遺伝子の後天的な突然変異が起こり,GPIアンカー型蛋白(GPI-AP)を欠損したPNHクローンが拡大することにより発症する後天性クローン疾患である1)。臨床症状としては,血管内溶血,血栓症,骨髄不全症を三徴とする。また再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの後天性骨髄不全症にしばしば合併・相互移行することが知られている1)。PNHの治療は,エクリズマブの登場により新たな局面を迎えている。エクリズマブは補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体であり,補体活性化経路の終末経路を阻害することで補体による血管内溶血を抑制し,PNH 患者のQOLを大幅に改善させた2)-4)。また後方視的研究ではあるが,エクリズマブは血栓症の発症を低下させたと報告されている5)。その一方で骨髄不全に対しては無効であり,診療の参照ガイドでは再生不良性貧血の治療に準ずることが推奨されている6)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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