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心房細動と血管性認知症

Cardio-Coagulation Vol.4 No.1, 15-20, 2017

心房細動は,認知機能低下または認知症の危険因子である可能性が指摘されている。両者の相関を検討した多くの報告は支持的な結果を示しているが,一部否定的な報告も存在する。これまで報告のある2つのメタ解析はいずれも心房細動と認知症の関連を示しており,特に脳卒中発症例ではより高い危険度が示されている。脳卒中を伴わない場合でも認知機能低下や認知症が発症する頻度が高く,その機序は不明であるが無症候性の微小脳塞栓症による神経細胞障害や,合併する心不全や心拍動の不規則性によって脳血流が低下し慢性脳低灌流に曝されることなどが原因として推定されている。このほか,使用する抗凝固薬の影響,心房細動に併存しやすい炎症病態による認知機能低下の可能性も示唆されている。心房細動と認知症はいずれも加齢で増加する疾患であり,今後,長期の抗凝固療法が高齢者の認知機能に及ぼす影響を解明し,認知症予防の視点からも心房細動治療を考えていく必要がある。
「KEY WORDS」心房細動,認知症,脳卒中,微小脳塞栓症,慢性脳低灌流

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録