<< 一覧に戻る

特集 アンチエイジングから骨代謝を考える

1.パノラマX線写真による骨粗鬆症スクリーニング法

Screening for osteoporosis by panoramic radiographs

田口明

Anti-aging Science Vol.7 No.1, 18-22, 2015

「Ⅰ はじめに」日本の骨粗鬆症患者数は1,300万人に達すると試算されている.1987年の日本の大腿骨頸部骨折患者数は約5万人であったが,2012年には3倍強の約17万人に増加した.大腿骨頸部骨折のみの医療費は年間約8,000億円(2007年)と試算されている1).未だ骨折は増加傾向にあるため,関連医療費も増加の一途にあると考えられる.寝たきりの原因の第4位が骨折であるが,骨折が怖いのはその死亡率の高さである.大腿骨骨折後5年生存率は約49%と報告されており,死亡率が高い2).一度骨折が起きた場合,更なる骨折のリスクは格段に高くなるため,最初の骨折を防ぐことが肝要になる.しかし骨折リスクの高い骨粗鬆症患者は骨折を起こすまで症状を有さないため,専門医を受診する機会はほとんどない.日本の骨粗鬆症検診率は約5%と低いため3),骨折前の骨粗鬆症患者を十分にスクリーニングできてはいない.新しいスクリーニングの場として必要なのは,①骨を評価できるX線写真を日常撮影していること,および②専門医への紹介が行えることである.日常診療で歯や顎骨のX線写真を撮影し,専門医への紹介も行える歯科医院はこれらの条件を備えたスクリーニングの場となりうる.
「Key Words」パノラマX線写真,骨粗鬆症,骨折,スクリーニング,医科歯科連携

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る