1990年代以降,CTLA-4分子,PD-1分子がT細胞を抑制するシグナルを入れる共抑制受容体(免疫チェックポイント分子)であることが解明され,担がんマウスにおいてこれらの分子をモノクローナル抗体でブロックすることにより,T細胞が活性化され抗腫瘍効果を発揮することが示された。免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor;ICI)はT細胞上の共抑制受容体である免疫チェックポイント分子を抗体でブロックし,T細胞の活性化を持続させてがんを攻撃させる薬剤である。ICIは抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体を中心に複数のがん種に単剤として臨床開発に成功した。その後,これらのICIを含む併用療法(複合がん免疫療法)が,複数の進行期の未治療の各種固形がんに対して承認され,実地臨床で広く用いられるようになっている。さらには,その他のICIや共刺激分子に対するアゴニスト抗体薬についても,先行して開発されたICIとの併用で開発が行われている。
「KEY WORDS」共抑制受容体(免疫チェックポイント分子),共刺激受容体,免疫チェックポイント阻害薬,複合がん免疫療法
「KEY WORDS」共抑制受容体(免疫チェックポイント分子),共刺激受容体,免疫チェックポイント阻害薬,複合がん免疫療法