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ANNOUNCE試験:軟部肉腫に対するolaratumab

小倉浩一川井章

がん分子標的治療 Vol.19 No.1, 105-107, 2021

軟部肉腫は筋肉や脂肪といった間葉系組織から発生する稀な悪性腫瘍である。軟部肉腫の組織型は多様であり,世界保健機関(WHO)分類によると50種類を超える組織型がある1)。Ewing肉腫や横紋筋肉腫のような円形細胞肉腫は一般的に化学療法感受性であり,手術,化学療法,放射線治療を組み合わせた集学的治療が行われる。一方,非円形細胞肉腫(未分化多形細胞肉腫,平滑筋肉腫,脂肪肉腫,滑膜肉腫など)はドキソルビシンやイホスファミドを中心とした従来の化学療法に対する感受性は一般的には低い。再発非円形細胞肉腫においては,現時点でドキソルビシン単剤療法が標準治療とされており,これを超える薬物療法はないのが現状であり,さまざまな薬剤の開発が試みられている。
本稿では,軟部肉腫に対するolaratumabの有効性を検討したANNOUNCE試験を中心に,軟部肉腫に対するolaratumab開発の経緯,今後の展望について概説する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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