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Theme がんゲノム医療を検証する State of the art reviews and future perspectives

がんゲノム医療時代の遺伝性腫瘍

櫻井晃洋

がん分子標的治療 Vol.19 No.1, 50-54, 2021

これまではがん種や発症年齢,家族歴から特定の遺伝性腫瘍が疑われる患者に対して,特定の遺伝子を解析することで遺伝性腫瘍の診断がなされてきたが,最近では遺伝性腫瘍を疑う要素が乏しい患者においても,コンパニオン診断やがんゲノムプロファイリングの過程で遺伝性腫瘍の病的バリアント保持者であることが判明する機会が増えてきた。遺伝性腫瘍の可能性を想定していない患者にとって,がん治療を受けているなかで自身の遺伝的状況を受容するのに困難を伴う場合もある。一方,診断の過程がどのようであれ,患者で得られた遺伝情報は,本人だけでなく血縁者の早期診断や早期治療にも活用することができる貴重な情報であり,遺伝医療部門との連携のもとに情報を生かす努力が求められる。網羅的なゲノム解析の時代にあり,遺伝性腫瘍と非遺伝性腫瘍のボーダーはあいまいになっていく。すべてのがんについて遺伝的背景を念頭においた診療を行うことが必要である。
「KEY WORDS」コンパニオン診断,発症前診断,遺伝カウンセリング

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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