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Theme 固形がんに対する免疫療法と分子標的治療の進歩 Pharmacogenomics and biomarker

Microbiome

砂川優

がん分子標的治療 Vol.18 No.2, 87-94, 2020

腸に生息する細菌(腸内細菌叢)は約1,000種類,約100兆個といわれており,近年の研究からがんと腸内細菌叢に関連があることが報告されている。ある特定の腸内細菌叢ががんの発生やリスクに影響を与えることが解明されてきており,がん患者のみならずがん組織に常在する腸内細菌についての研究も進んでいる。また,腸内細菌叢とがん免疫療法の効果・毒性には相関があることが,多がん種を対象とした研究で報告されている。免疫療法の効果を予測する有望なバイオマーカーとして腸内細菌叢が注目されており,免疫療法の効果を上げることを検証した介入試験も行われている。本稿では,腸内細菌叢のがんの発生への関与,がん増殖などにおける腸内細菌叢の働き,さらに腸内細菌叢と免疫療法の関連性について概説する。
「KEY WORDS」腸内細菌叢,がんの発生,免疫療法,効果予測因子

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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