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Theme Somatic/germline変異とがん医療

小児がんの素因となる遺伝性腫瘍

熊本忠史

がん分子標的治療 Vol.17 No.1, 25-30, 2019

昨今の遺伝子解析技術の進歩は,がん細胞がもつ遺伝子異常を特定し,その異常に合わせた治療を選択することを可能とするだけでなく,個人が生まれつきもっている遺伝子の多型を検出し,それにより将来罹患しうる疾患の予測,さらには予防を可能にしようとしている。遺伝性腫瘍は,家族歴や発端者が罹患するがん種から疑われ,遺伝学的検査により診断されてきたが,今後はがんクリニカルシーケンスの二次的所見として,さらには,非がん患者や健常人が健康診断的な感覚で受ける生殖細胞系列遺伝学的検査により診断される,といった場面も想定される。このような背景のもと,本稿では小児がんの素因となる遺伝性腫瘍について概説する。
「KEY WORDS」遺伝性腫瘍,クリニカルシーケンス,生殖細胞系列病的バリアント

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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