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Theme Somatic/germline変異とがん医療

がん診療における体細胞遺伝子変異と生殖細胞系列遺伝子変異

角南久仁子

がん分子標的治療 Vol.17 No.1, 12-15, 2019

がん診療において,遺伝子変異情報に基づいて治療選択を行う「ゲノム医療」が実装化されようとしている。がんに関連する遺伝子変異は体細胞遺伝子変異と生殖細胞系列遺伝子変異に大別され,前者は治療反応性や抵抗性に関与し,後者は主にがんの発症しやすさに関与する。次世代シーケンサーを用いた多遺伝子パネル検査は,これらの遺伝子変異の有無を一度に解析して結果を診療に反映させることが可能である。国立がん研究センターで開発した「NCCオンコパネル」を用いたゲノム医療実装化プロジェクト(TOP-GEARプロジェクト)では過半数の症例で診療に有用な体細胞遺伝子変異を,3%に生殖細胞系列遺伝子変異を認めた。さらに13%では遺伝子変異に合致した治療が行われ,NCCオンコパネルの臨床的有用性が示された。
「KEY WORDS」体細胞遺伝子変異,生殖細胞系列遺伝子変異,多遺伝子パネル検査,ゲノム医療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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