Theme 免疫チェックポイント阻害薬を用いた併用療法(効果と副作用)
各臓器がんにおける併用療法 消化器がん
がん分子標的治療 Vol.16 No.3, 26-31, 2018
現在までに,消化器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬を用いた併用療法は,さまざまな薬剤と併用した早期段階の臨床試験結果が報告されている。消化器がんでは,ヒト上皮成長因子受容体(HER)2陽性および陰性胃がん,ミスマッチ修復欠損(MMRd)/高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-h)大腸がん,肝細胞がんで,併用療法によるさらなる有効性の向上が期待されている。一方,マイクロサテライト安定性(MSS)大腸がんや胆管がん,膵がんにおいては,免疫チェックポイント阻害薬の併用療法においても満足できる成績が得られず,今後のさらなる治療開発が望まれる。安全性は,抗PD-1/PD-L1抗体と抗細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA)-4抗体の併用療法において治療中止に至る有害事象が比較的高頻度に報告され,有害事象対策が望まれるが,ほかの併用療法では忍容可能と考えられた。消化器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬を用いた併用療法のさらなる治療効果の向上に期待がかかる。
「KEY WORDS」ニボルマブ,ペムブロリズマブ,アテゾリズマブ,デュルバルマブ,併用療法
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