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Pharmacogenomics and biomarker

Indoleamine 2,3-dioxygenase 1の予後予測マーカーおよび治療標的としての意義

正木彩子石田高司

がん分子標的治療 Vol.16 No.1, 70-74, 2018

Indoleamine 2,3-dioxygenase 1(IDO1)はトリプトファン(Trp)代謝経路の律速酵素で,抗腫瘍免疫応答の抑制に関わる腫瘍微小環境中の因子として注目されている。IDOは多くの悪性腫瘍で腫瘍そのもの,もしくは腫瘍中の組織球・樹状細胞に発現しており,その活性の上昇が予後不良と関与することが報告されている。血清中のTrpおよび代謝産物であるキヌレニン(Kyn)の測定は予後予測因子として有望である。IDO阻害薬は抗PD-1抗体との併用により悪性黒色腫,頭頸部がん,腎がんといったさまざまな悪性腫瘍での有効性が報告されており,新たな治療戦略として期待される。
「KEY WORDS」IDO,抗腫瘍免疫応答,トリプトファン代謝

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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