Pharmacogenomics and biomarker
免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカーとしてのPD-L1(その問題点)
がん分子標的治療 Vol.16 No.1, 61-65, 2018
PD-1およびPD-L1などを標的とした免疫チェックポイント阻害薬はさまざまながん腫において有効性が示されている。しかしながら,PD-1阻害薬の奏効率は20%ほどしかなく,PD-1阻害薬の効果予測因子となるバイオマーカーの探索が急務である。免疫組織化学染色(IHC)での腫瘍細胞におけるPD-L1発現はPD-1阻害薬の効果予測因子として実臨床で導入されている。しかし,PD-L1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるPD-1阻害薬の奏効率は17~45%ほどであり,PD-L1陰性の症例にも奏効しうる。さらに,PD-L1発現の評価は,PD-1/PD-L1阻害薬ごとに抗体クローンが異なることに加え,不均一性や経時的変化など多くの問題を抱えている。
「KEY WORDS」免疫チェックポイント阻害薬,PD-1,PD-L1,免疫組織化学染色,バイオマーカー
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