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Theme 各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬

各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の現状について 泌尿器科がん(腎細胞がん,尿路上皮がん)

冨田善彦

がん分子標的治療 Vol.15 No.4, 35-41, 2017

進行性腎細胞がん患者の生存期間は2008年から導入された分子標的薬により延長したが,全生存期間(OS)はおおむね40ヵ月であり,さらなる改善が期待されていた。腎細胞がんに適応となった抗PD-1抗体ニボルマブは分子標的薬による血管新生阻害療法抵抗性となった症例に有用であり,長期の腫瘍コントロールが期待できる症例もある。ただし,奏効する症例は30%程度にとどまり,さらなる効果の増強のために併用療法が試みられている。CheckMate 214試験では1次治療としてスニチニブとニボルマブ+イピリムマブの併用療法を比較するランダム化試験が行われた。この結果,IMDCリスク分類でintermediate/poorリスク症例では併用療法群が有意に高い奏効率,OSを示し,新たな標準治療となることが期待される。
進行/転移性尿路上皮がん(膀胱がん)に対する治療はシスプラチンやカルボプラチン,ゲムシタビンを用いた多剤併用化学療法であったが,その予後は30年以上改善されておらず,新たな治療法の登場が期待されていた。尿路上皮がんは,悪性黒色腫や非小細胞肺がんと並んで遺伝子変異の頻度が高く,また上皮内がんにはBCGの膀胱内注入療法が有用であるなど,免疫療法への高い感受性が想定されていた。Atezolizumabやニボルマブ,ペムブロリズマブ,アベルマブ,durvalumabは主に第Ⅱ相臨床試験の結果で有用性が示され,米国食品医薬品局(FDA)では尿路上皮がんに対して認可されており,日本でも開発が進んでいる。
「KEY WORDS」免疫チェックポイント,immuno-oncology(I-O)drug,腎細胞がん,尿路上皮がん

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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