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Theme 各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬

各臓器がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の現状について 婦人科がん

緒方貴次松本光史

がん分子標的治療 Vol.15 No.4, 31-34, 2017

免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)は日本でさまざまながん腫に対して次々と認可されており,現在は抗細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA)-4抗体のイピリムマブ,抗PD-1抗体のニボルマブ,ペムブロリズマブなどが特定のがん腫で使用可能となっている。特に肺がん領域では腫瘍のPD-L1が高発現である場合に,1次治療でペムブロリズマブが使用可能となっている。また2017年度に,米国食品医薬品局(FDA)がミスマッチ修復遺伝子異常のある全固形がんに対してペムブロリズマブを承認し,今後より広くICIsが使われていくと考えられる。しかし,ICIsの効果は限定的であるため,現在はICIsの併用,殺細胞性抗がん剤との併用などの臨床試験が多く行われている。また,ICIsは効果の全くない患者群と長期に効果が持続する患者群がおり,各試験のなかで効果予測因子を探索している。日本の婦人科がん領域においては,現在のところICIsの保険適応はなく,さまざまな臨床試験が行われている。
「KEY WORDS」婦人科がん,免疫チェックポイント阻害薬 ,卵巣がん,子宮頸がん ,子宮体がん

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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