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がん細胞由来エクソソームに発現するインテグリンによる臓器特異性転移

がん分子標的治療 Vol.15 No.3, 72-76, 2017

がん細胞は転移しやすい微小環境を転移する前の時点で形成し,転移を促進させていることが明らかにされている。しかし,がん細胞がどのようにして前転移ニッチを形成し転移先臓器を決定しているのかは謎であった。今回,当研究室ではがん細胞の産生するエクソソームががん細胞の未来転移先へ分布することを発見した。その分布は,エクソソームに発現する接着分子であるインテグリンの“郵便番号”のような役割によって規定されていた。さらに,がん細胞由来エクソソームが“郵便番号”をもとに未来転移先へ取り込まれることで,その臓器を転移しやすい場へと変化させていることを証明した。この機構より,120年以上がん転移の最大の謎とされてきた「なぜ,がんは特定の臓器へ転移するのか」を一部解明することができた。血中エクソソームの“郵便番号”を調べることで未来転移先を予測するバイオマーカーの可能性や,転移前に転移を抑制する治療の可能性が示唆された。
「KEY WORDS」エクソソーム/臓器特異性転移/前転移ニッチ/インテグリン/seed and soil仮説

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録