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食道がんのゲノムワイド関連解析(GWAS)

がん分子標的治療 Vol.15 No.1, 23-27, 2017

近年,ゲノムワイド関連解析(GWAS)が幅広く行われるようになり,多くの疾患感受性遺伝子が同定されている。食道がん領域においても,これまでに7論文によって19の疾患感受性領域が明らかになっている。特に,日本人においては1B 型アルコール脱水素酵素(ADH1B)および2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)遺伝子の多型が強い関連を示し,飲酒・喫煙と合わせると疾患リスクを約190倍高めることが明らかになっている。これまでの研究により,がんだけでも200報以上の論文,700以上の遺伝因子が報告されている。ゲノム解析費用が急速に低下していること,またわれわれの遺伝子型は一生涯変わらないことから,生まれたときにこれらの疾患関連遺伝子を調べることで,将来どの病気になりやすいか,どの薬が効いてどの薬で副作用が出やすいかなどがあらかじめわかる時代が近づいている。しかしながら,欧米人や中国人で報告された遺伝因子が必ずしも日本人でも同様の関連を示すとは限らないことから,ゲノム医療を進めるうえで,日本人症例での検証と基盤情報の蓄積が今後も必要になると考えられる。
「KEY WORDS」GWAS,ADH1B,ALDH2,ゲノム医療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録