<< 一覧に戻る

Cancer biology and new seeds

悪性胸膜中皮腫のシグナル伝達経路

北井秀典矢野聖二

がん分子標的治療 Vol.14 No.4, 77-81, 2016

悪性胸膜中皮腫(MPM)はアスベストに関連して発症するきわめて予後不良の悪性腫瘍である。MPMではいわゆる“oncogene addiction”となるような活性型の遺伝子変異は認められていないが,がん抑制遺伝子の不活性化変異がいくつか明らかになっており,新たな治療開発が進んでいる。特にNF2の不活性化変異に関連したHippo-YAP 経路は重要である。また,上皮成長因子受容体(EGFR)やMETといったチロシンキナーゼ型受容体はMPMで高発現しているが,それらの阻害薬の治療効果は十分でなく,臨床試験の結果を含めて概説する。
「KEY WORDS」悪性胸膜中皮腫,がん抑制遺伝子,Hippo-YAP経路,チロシンキナーゼ型受容体

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る