Pharmacogenomics and biomarker
CTCとPD-L1発現
Circulating tumor cells and their PD-L1 expression
がん分子標的治療 Vol.14 No.2, 64-68, 2016
「SUMMARY」近年におけるがん薬物療法の発展は著しく,最近の免疫チェックポイント阻害薬の成功により,がん薬物療法は新たな時代に入ったといっても過言ではない。これらの状況をふまえ,もはや進行がんにおいても生命予後の延長に留まらず,長期生存,さらには治癒を視野に入れた治療戦略を立て,それらを実現することが急務となっている。そして,多くの有効な治療選択肢を手にする状況となった現在,最適な治療を患者に提供するための情報をリアルタイムで取得することが不可欠となりつつある。そこで,腫瘍組織の代替として,低侵襲で繰り返し採取が可能な血中循環腫瘍細胞(CTC)がリキッドバイオプシーに用いられ臨床応用に大きな期待がもたれている。本稿においては,CTCの診断利用の試みと,免疫チェックポイント阻害療法におけるCTCの効果予測バイオマーカーとしての研究開発について概説する。
「KEY WORDS」血中循環腫瘍細胞,リキッドバイオプシー,免疫チェックポイント阻害薬,PD-1
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。