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EGFR阻害薬(ゲフィチニブ)の他臓器への展開,原発臓器でバイオマーカーは異なるのか?―食道がんに対するCOG試験からの考察

Expand to other organ of EGFR inhibitory drug (gefitinib), other organ, other biomarker?-discussion from the COG trial for esophageal cancer

加藤健

がん分子標的治療 Vol.13 No.4, 94-96, 2015

「食道がんにおけるEGFRの位置づけと薬剤の開発」上皮成長因子受容体(EGFR)は,食道がんにおいても予後や進行度と関わっていると報告されている。食道扁平上皮がんにおけるEGFRの発現は60~70%,遺伝子増幅は28%に認められ,過剰発現は腫瘍浸潤,不良な予後と関係している。EGFR変異は食道扁平上皮がんで0~2%,食道腺がんでは11.7%に認められるとの報告がある1)-3)。また,Genetic Alterations in Cancer(GAC)データベースをもとにした解析では,食道がんにおけるKRAS変異は2%,BRAF変異は11%と報告されている4)。食道がんに対するEGFR阻害薬の臨床試験では,術前治療としてゲフィチニブが投与された食道腺がん27例においては,3例(11%)が部分寛解(PR),7例(26%)が病勢安定(SD)であった5)。2次治療としてゲフィチニブを投与された食道がん36例(腺がん26例,扁平上皮がん9例,腺扁平上皮がん1例)においては,1例(2.8%)がPR,10例(27.8%)がSD,無増悪生存期間(PFS)中央値は59日,全生存期間(OS)中央値は164日であった6)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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