Pharmacogenomics and biomarker
Cell free DNAの可能性
Cell free DNA : challenges and clinical translation
がん分子標的治療 Vol.13 No.4, 82-85, 2015
「SUMMARY」がん細胞由来の細胞外遊離DNA(cfDNA)は,がん患者の末梢血に存在し,高感度検出法の登場とともに臨床応用に向けて期待が高まっている。Digital PCRや次世代シーケンサー(NGS)など新たな検出方法を用いて,DNA収量が少ないことを克服する試みが続いており,診断,モニタリング,耐性化の確認など種々の目的に利用できる可能性がある一方,まだ解決すべき課題は多い。今後の臨床応用に向けて,cfDNAの現状とその可能性に触れる。
「はじめに:リキッドバイオプシーにおけるcfDNA」一般的にがんの診断においては,原発巣から直接腫瘍の一部を採取し,病理学的検討を行うことが欠かせない。一方で,がん種によっては生検自体が困難であり,また治療経過のなかで生検を繰り返し行うことが難しい場合は多い。そこで,比較的低侵襲で繰り返し検体の採取が可能な血液検査で得られる検体を用いた,いわゆる「リキッドバイオプシー」の研究が進められてきた。
「KEY WORDS」cfDNA(cell free DNA),リキッドバイオプシー,分子標的治療,ゲノムバイオマーカー,コンパニオン診断薬
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。