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Cancer biology and new seeds

Non-T790M EGFR-TKI耐性肺がんに対するAXL阻害薬

AXL inhibitors for non-T790M resistant lung cancer

髙野夏希柳谷典子西尾誠人

がん分子標的治療 Vol.13 No.3, 57-60, 2015

「SUMMARY」上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する治療としてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)がkey drugとなるが,その耐性化が喫緊の課題となっている。第1世代のEGFR-TKIに耐性となった半数の患者においてT790M変異がみられ,第3世代のEGFR-TKIの開発が進められている。しかし,残りの半数はT790M変異がみられず,このnon-T790M耐性を克服することも重要な課題である。Non-T790M耐性機序としてバイパス経路の活性化が考えられ,最近,AXLキナーゼの活性化が新たなEGFR-TKI耐性機序となることが報告された。さらに,AXLと上皮間葉転換(EMT)との関連が指摘され,予後の悪化や腫瘍増大,転移にも関与することが報告されている。AXLはEGFR-TKI耐性の新たな標的であり,AXL阻害薬の現状について概説する。
「KEY WORDS」AXL阻害薬,非小細胞肺がん,EGFRチロシンキナーゼ阻害薬,耐性

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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