米国血液学会(ASH)
第56回米国血液学会議(ASH 2014)
56th American Society of Hematology(ASH) Annual Meeting
がん分子標的治療 Vol.13 No.2, 132-134, 2015
会期:2014年12月6~9日
会場:Moscone Center(サンフランシスコ)
「はじめに」第56回米国血液学会議(ASH 2014)は,2014年12月6~9日にサンフランシスコで開催された(図1)。世界各地より18,000名が集う血液学の最高峰の学会であり,大変充実した学会であった。本稿では,本学会のトピックスをかいつまんで紹介する。
「造血」血小板数の恒常性維持メカニズムに関しての新たな知見がプレナリー演題として発表された(#2)。巨核球から産生された血小板が老化すると脱シアル化が起こり,これにより肝細胞上のAshwell-Morell受容体に結合し,JAK-STAT経路を介してトロンボポエチンを産生し,巨核球からの血小板産生を刺激することで血小板数が一定に保たれるという発見である(図2)。Ashwell-Morell受容体は1974年にAshwellとMorellによって発見された歴史的に有名な肝細胞上の受容体であり,2002年に脱シアル化された,つまり老化した血小板がリガンドであることが発見されていた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。