Pharmacogenomics and biomarker
胃がんにおける新しいmolecular subtype
The new molecular subtype in gastric cancer
がん分子標的治療 Vol.13 No.2, 116-119, 2015
「SUMMARY」ヒト上皮成長因子受容体(HER)2は胃がんのmolecular subtypeとして確立している。それは,HER2の過剰発現および遺伝子増幅が治療薬のバイオマーカーとして臨床試験において確立されたためである。しかし,現時点でHER2に続くバイオマーカーはなく,肺がんや乳がん,大腸がんなどほかのがん種と比較してmolecular subtypeによる分類は遅れていた。しかし,2014年にがんゲノムアトラス(TCGA)は,胃がんを4つの異なるmolecular subtypeに分類できることを『Nature』誌に報告した。この知見により,胃がんの治療開発に対する考え方を変える可能性があると期待されている。また,近年多くのがん種で期待されている免疫療法においても,この分類は役立つと注目されている。
「KEY WORDS」胃がん,molecular subtype,がんゲノムアトラス,エプスタイン・バール・ウイルス,マイクロサテライト不安定性
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