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Cancer biology and new seeds

がんにおけるオートファジー制御の分子機構

Molecular mechanism of autophagy regulation in cancer

池上恒雄

がん分子標的治療 Vol.13 No.2, 77-82, 2015

「SUMMARY」オートファジーのがんにおける役割は状況によって二面性がある。がん細胞は急速な増殖による高い栄養要求性を有し,成長するとともに栄養不足や低酸素などの代謝ストレス環境下に置かれやすい。そこでがん細胞は,オートファジーを利用することにより成長に必要な栄養を自ら作り出し,細胞死を回避している。一方で,がんの発生初期においてはオートファジーによる細胞の恒常性維持が腫瘍発生に対するバリアとして機能している。本稿では,近年注目を増してきているがんにおけるオートファジーの役割について,オートファジーの分子機構,それを制御する細胞内シグナル,オートファジー抑制によるがん治療の可能性を交えて概説する。
「KEY WORDS」オートファジー,オートファジー関連遺伝子,がん,クロロキン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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