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CAREER MAKING

専門医から若手ドクターへの提言

堤裕幸

up-to-date 子どもの感染症 Vol.6 No.1, 20-23, 2018

札幌医科大学での医学部学生時代,専攻する診療科として臓器別,器官別でなく全身を診る科に進みたいと考えました.札幌医大でそれが可能な科を考えると,自ずと小児科となりました.子どもが好きだったから?と訊かれることがありますが,実は当時は子どもが好きというより,むしろ苦手でした.今は子どもが好きですし,電車のなかなどでも,子どもが乗っていると,何してるのかな?大丈夫かな?などと気になったりします.小児科入局後は当時の慣習に従い,すぐに大学院に入り,臨床と研究という2足のわらじの生活を送りました.病棟には多くのウイルス性,そして細菌性感染症の入院患者がいました.衝撃的だったのは,やはりHibや肺炎球菌による髄膜炎でした.入院して2~3時間の内に敗血症性ショックで死亡したHib髄膜炎例,髄液から分離培養されたHibがABPC耐性で途方に暮れるものの,セフォタキシムの発売がギリギリ間に合って事なきを得た例などを思い出します.ウイルス感染症では細気管支炎,肺炎など呼吸器感染症の入院,そしてムンプス髄膜炎での入院が多くありました.
専門分野,研究では,感染症と免疫学に興味がありました.私が医学部に入った当時は,リンパ球にはTリンパ球とBリンパ球があり,Tリンパ球の同定はヒツジ血球とのロゼット形成を確認することでなされる,という程度しか解明されていませんでした.その機能も,Bリンパ球は抗体を産生することは分かっていましたが,Tリンパ球についてはあまりはっきりしていませんでした.その後,リンパ球のさまざまな表面抗原を認識する単クローン抗体が次々に開発され,リンパ球の分類とともに,その機能が次第に明らかにされていきました.卒業当時は細胞性免疫,とくにウイルスに対する細胞性免疫に興味があり,大学院では「ムンプスにおける細胞障害性Tリンパ球(cytotoxic T-lymphocyte:CTL)の応答」について研究しました.もちろん,指導医である千葉靖男先生のアイデアでしたが,ムンプス特異的なCTLの存在と,そのヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)拘束性について明らかにすることができました.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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