小児感染症Q&A
小児感染症における抗菌薬の投与期間について教えてください/ヘリコバクター・ピロリのスクリーニングは必要でしょうか/近年増加している梅毒について教えてください/AFPサーベイランスとは何でしょうか
掲載誌
up-to-date 子どもの感染症
Vol.6 No.1 10-18,
2018
著者名
尾内 一信
/
奥田真珠美
/
加藤 元嗣
/
金井瑞恵
/
大西真
/
多屋 馨子
記事体裁
連載
/
Q&Aシリーズ
/
抄録
疾患領域
消化器
/
小児疾患
/
感染症
診療科目
消化器内科
/
小児科
媒体
up-to-date 子どもの感染症
免疫正常者に対する抗菌薬の標準的投与期間は,感染症の種類,原因菌別におよそ決まっているが,必ずしもすべてエビデンスに基づいたものではない.表1に各ガイドラインなどで示されている免疫正常者の抗菌薬の標準的投与期間を示す.標準的投与期間に7の倍数が多いことに注目される.これは,一般的に再発や再燃がないように安全性を考慮して抗菌薬を長めに(週単位)投与して治療され,その後の治療経験が増えて治療期間が短縮されたという時代的な経緯がある.長年にわたって治療期間の比較試験が行われ,治療効果が同等であれば治療期間の短いほうが選択され現在に至っている.したがって,比較試験が行われないと,標準的治療期間が長いままで短縮されていない.症例数が少ない希少疾患では比較試験を組むことが難しいので,通常長いままのことが多い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。