Topics for Health Care
              
 乳幼児突然死と先天代謝異常症
                  掲載誌
                
 
                  up-to-date 子どもの感染症
                  Vol.3 No.1 44-48,
                  
                    2015
                  
 
                    著者名
                  
  
                          松永綾子
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          代謝・内分泌
                        / 
                          小児疾患
                        / 
                          感染症
                        
                    診療科目
                  
  
                          手術・救急
                        / 
                          小児科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      up-to-date 子どもの感染症
                    
 「はじめに」乳幼児の突然死は毎年100例以上発生しているが,さまざまな要因により体系的な原因検索がほとんど行われていないのが現状である.乳幼児突然死や乳幼児突発性危急事態(apparent life threatening event:ALTE)の原因となり得ると考えられている疾患を表1に示す.これらをきちんと検索してはじめてわが国における乳幼児突然死やALTEの原因とその頻度が明らかになる.また,解剖を行わなければ死亡診断書や死体検案書に乳児突然死症候群(sudden infant death syndrome:SIDS)と記載できないことになっており,わが国では乳幼児の解剖の承諾が得られにくい現状のため,死因不詳となる症例が多く存在すると思われる.一方,先天代謝異常症(脂肪酸代謝異常症,ミトコンドリア呼吸鎖異常症など)の一部の疾患でも乳幼児突然死が引き起こされることが知られている.乳幼児突然死やALTEの症例はmetabolic autopsyとして先天代謝異常症も念頭において死因検索を行うことが必要である.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。