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Depression Research Update

リチウムと抗精神病薬が感情障害患者の皮質下脳体積に与える影響

橋本直樹

DEPRESSION JOURNAL Vol.7 No.1, 30-31, 2019

撮像プロトコルが統一されていない従来の脳画像研究のメタ解析と異なり,プロトコルをある程度統制した撮像済みのMRIデータを多施設から集積して同一の方法で解析する "prospective-meta analysis" と呼ばれる解析手法が新たに登場し,世界的な脳画像解析のコンソーシアムであるENIGMAが同手法を用いた解析により統合失調症における皮質下脳体積の変化を報告したほか1),国内コンソーシアムである認知ゲノム共同研究機構 (COCORO) による "prospective-meta analysis" でも同様の解析結果が追認されています2)
一方,prospective-meta analysisでは,背景データの影響は施設ごとの平均値を用いて解析されますが,われわれの研究グループは,COCOROで実施したprospective-meta analysisの結果に対する背景データの影響について,平均値ではなく個々の被検者の生データを解析対象とする,いわゆる "prospective-mega analysis" の手法による解析研究を進めています.まず,はじめの研究として,統合失調症患者のprospective-meta analysisの画像データを用いて,各施設から得た罹病期間と撮像日の処方データから薬剤と罹病期間の皮質下脳体積への影響を検討した結果,統合失調症患者の左海馬の体積低下,および両側淡蒼球の体積増加と抗精神病薬の投与量に相関がみられることを報告しました3).同様のprospective-mega analysisの手法により,双極性障害患者を対象とした皮質下脳体積とリチウムまたは抗精神病薬の投与との相関について検討したのが本研究です4)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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