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うつ病のComorbidity

全般不安症とうつ病

大坪天平

DEPRESSION JOURNAL Vol.5 No.1, 24-27, 2017

全般不安症/全般性不安障害(generalized anxiety disorder:GAD)は,慢性的にコントロールできない心配(予期憂慮)によって,睡眠障害,筋緊張などの身体症状や集中困難をきたす障害で,深刻な社会的・職業的機能障害,他の精神疾患(特にうつ病)や身体疾患とのcomorbidity,自殺の危険性の増大につながると考えられている.しかし,臨床の現場での認知度はいまだに低く,実際に患者が臨床の場に訪れることはそう多くない.また,受診に至っても的確に診断されずに他の疾患として治療されている場合も多いと考えられる.GADの診断基準そのものに,何らかの違和感あるいは疑問をもつという声もたびたび聞く.ここでは,うつ病に併存することの多いGADに関して,主にGAD側から,その診断の問題点や,うつ病との相互連関,およびその治療について述べる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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