アルコール依存症をもつ方への看護師のおもな役割は,離脱症状の出現を早期に発見し症状の緩和に努めること,安心できる環境づくり,そして,患者の日常生活に近い医療者として,頻繁にコミュニケーションをとり,細やかな観察を続けることである。そして,患者が多くの支援者や他患者間において,人から癒やされる体験や,自己を受け入れる体験を通して,回復の道を歩めるよう寄り添うことである。また,看護師の視点から得られたさまざまな情報は,患者本人やご家族だけでなく,多職種・多機関と共有し,患者がその人らしく生きていける治療に貢献できると考えている。